気分の落ち込み・うつ

持続性抑うつ症(気分変調症)(軽い落ち込みが何年も続く)

強い落ち込みではないけれど、気分が晴れない日のほうが多い。何年もそんな状態が続いて、「もともとこういう性格だから」とあきらめていませんか。軽い抑うつが長く続く状態は「持続性抑うつ症(気分変調症)」と呼ばれ、治療の対象になります。長く続いてきたつらさも、相談することで見直せる部分があります。

こんなサインはありませんか

  • 気分が晴れない日のほうが多い状態が、2年以上続いている
  • 「調子が良かった時期」をはっきり思い出せない
  • 疲れやすく、何をするにも気力がわきにくい
  • 自分に自信が持てず、「どうせ自分なんて」と考えがち
  • 寝つきが悪い・眠りすぎるなど、眠りが安定しない
  • 集中しにくく、決めることを先のばしにしてしまう

当てはまる数で診断が決まるわけではありません。つらさが続いて、暮らしや仕事に差しさわりが出ているときは、早めにご相談ください。

持続性抑うつ症(気分変調症)とは

持続性抑うつ症は、うつ病ほど強くはないものの、気分の落ち込みが長い期間にわたって続く状態です。以前は「気分変調症」や「気分変調性障害」と呼ばれていました。国際的な診断基準(DSM-5-TR)では、うつ病が長く続くタイプ(慢性のうつ病)もまとめてこの名前で扱われています。

症状が軽めで長く続くため、ご本人も周りも「性格」や「気分屋」と受け止めてしまい、治療につながりにくいのが特徴です。10代〜20代など若いころから始まり、気づいたときには何年も経っていた、ということも少なくありません。

主な症状

中心になるのは、ほとんど一日中続く憂うつな気分です。それに加えて、次のような症状がみられます。

  • 食欲がない、または食べすぎる
  • 眠れない、または眠りすぎる
  • 気力がわかない、疲れやすい
  • 自分に自信が持てない、自分を低く評価してしまう
  • 集中しにくい、物事を決めにくい
  • 先のことに希望を感じにくい

こうした症状が、ある日とない日を比べると「ある日のほうが多い」状態で続きます。仕事や家事はなんとかこなせていても、いつも余力がなく、人付き合いや楽しみごとを避けるようになっていることがあります。

うつ病との違い

うつ病持続性抑うつ症
症状の強さ強いことが多い比較的軽いことが多い(強い時期が続くこともある)
続く期間2週間以上が目安2年以上が目安
気づかれ方「いつもと違う」と気づかれやすい「性格」と思われ、見過ごされやすい

持続性抑うつ症のある方に、より強いうつ病の症状が重なることもあります(「二重うつ病」と呼ばれることがあります)。いつもより明らかにつらい状態が続いているときは、早めにご相談ください。

原因・なりやすさ

はっきりした原因はひとつに決められず、いくつかの要因が重なると考えられています。

  • 体質・遺伝的な要因:ご家族に気分の病気がある方は、なりやすい傾向があるといわれています。
  • 長く続くストレス:家庭や職場での負担、人間関係の悩み、子どものころのつらい体験などが影響することがあります。
  • ほかの心や体の不調:不安症や体の病気が長く続いていることが、気分の落ち込みを長引かせることもあります。

診断について

診断は、いまの症状に加えて、「いつごろから」「どのくらいの期間」続いているのかを丁寧に伺って行います。DSM-5-TR では、大人の場合、抑うつ気分がある日のほうが多い状態が少なくとも2年間続き、その間に症状のない期間が2か月を超えて続かないことが目安になります。

気分が高ぶる時期がある場合は「双極症」の可能性を考えます。また、甲状腺の病気などの体の病気、服用中の薬やアルコールの影響でも似た状態になることがあるため、必要に応じて血液検査や内科の受診をおすすめすることがあります。

治療について

持続性抑うつ症は長く続いてきた状態のため、治療もあせらず、少しずつ進めていくことが大切です。

精神療法(カウンセリング的な関わり)

長い間に身についた「自分はだめだ」という考え方のくせや、人との関わり方のパターンを、診察の中で一緒に見直していきます。認知行動療法の考え方を取り入れ、日々の行動を少しずつ広げていくことも役立ちます。

薬物療法

症状の程度に応じて、抗うつ薬(SSRI など)を使うことがあります。精神療法と薬物療法を組み合わせると、どちらか一方より効果が得られやすいという報告もあります。効果が出るまでに数週間かかることが多く、副作用や飲み方の不安は遠慮なくご相談ください。

生活の見直し

睡眠と起きる時間をそろえる、軽い運動を取り入れる、楽しめることを少しずつ予定に入れるなど、生活のリズムを整えることも回復の支えになります。

毎日の過ごし方のヒント

長く続く落ち込みは、毎日の小さな積み重ねで少しずつ変えていけることがあります。治療とあわせて、できそうなことから試してみてください。

  • 起きる時刻をそろえる:眠りのリズムが整うと、気分や体力も安定しやすくなります。
  • 小さな予定を入れる:散歩、好きな飲み物を買いに行くなど、「少しだけ楽しめそうなこと」を予定に入れ、できたら自分を認めてあげましょう。
  • 体を動かす:軽い運動は、気分の改善に役立つことが知られています。無理のない範囲で続けることが大切です。
  • 考えを書き出す:「どうせ自分なんて」と考えたときに、その考えを書き出してみると、少し距離を置いて見直しやすくなります。
  • ひとりで抱え込まない:信頼できる人に話すことや、相談できる場所を持つことも支えになります。

うまくできない日があっても大丈夫です。長く続いてきた状態だからこそ、あせらず、できたことに目を向けていきましょう。

ご家族・周りの方へ

  • 「性格」と決めつけない:長く続く落ち込みは、本人の努力不足ではなく、治療の対象になる状態です。
  • 小さな変化を認める:大きな回復を急がず、「今日は外に出られたね」など、小さな前進を一緒に喜ぶことが支えになります。
  • 受診をすすめる:「ずっと疲れているみたいだから、一度相談してみない?」と、責めない言い方で声をかけてみてください。ご家族だけでのご相談も承ります。

「死にたい」という気持ちが強くなっているときは、ひとりにせず、ためらわず相談窓口や119番を頼ってください。

よくあるご質問

はい、ぜひご相談ください。長く続いてきた落ち込みは「性格」と思われがちですが、治療の対象になることがあります。いつごろから、どんなふうに続いているのかを伺い、一緒に整理していきます。

同じ「抑うつ」のなかまですが、持続性抑うつ症は、比較的軽めの落ち込みが2年以上と長く続くのが特徴です。強いうつ病の時期が重なることもあるため、経過を見ながら診断します。

症状や暮らしへの影響に応じて決めます。精神療法や生活の見直しを中心に進めることもあれば、抗うつ薬を組み合わせることもあります。ご希望や不安を伺ったうえで、一緒に方針を決めます。

長く続いてきた状態のため、治療もある程度の期間をかけて進めることが多いです。通院のペースは症状に合わせて相談しながら決めます。

多くの方が、仕事や家事を続けながら通院しています。負担が大きいときは、働き方の調整や休職についてもご相談いただけます。

あかつきメンタルクリニックでの診療

当院は、名古屋市中区丸の内(地下鉄「丸の内」駅から徒歩4分、「伏見」駅から徒歩7分)にある精神科・心療内科のクリニックです。診療時間は平日 10:00〜18:00、土日祝 9:00〜17:00(どちらもお昼休みあり)です。診療日は Web予約の空き状況でご確認ください。

  • 初めての方は、Web予約・公式LINE・お電話(050-3529-9731)でご予約ください。
  • 初診では、いまお困りのこと、これまでの経過、生活や体の状態などを伺い、今後の進め方を一緒に考えます。
  • 16〜18歳の方は保護者の方の同伴をお願いしています。15歳以下の方の診療は行っていません。
  • 入院や専門的な治療が望ましいと考えられる場合は、適した医療機関をご紹介します。

受診の前に、受診にあたって(持ち物・当院で診療をお受けできない場合)をご確認ください。

Web予約 公式LINEのご案内 お電話 050-3529-9731

参考にした資料

  • 米国精神医学会『DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』
  • 日本うつ病学会 治療ガイドライン「うつ病(DSM-5)/大うつ病性障害」
  • 厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「うつ病」

このページは、こころの病気についての一般的な情報です。診断や治療の方針は、診察でお話を伺ったうえで一人ひとりに合わせて決めます。気になる症状があるときは、自己判断せずにご相談ください。

診察室に入る前から、
あなたのペースで。

人目が気になる方も安心。ご予約はWEBから1分で。

Web予約に進む →