不眠・睡眠の悩み

不眠症(眠れない・夜中に目が覚める)

布団に入っても寝つけない、夜中に何度も目が覚める、まだ暗いうちに目が覚めてしまう。そして昼間はぼんやりして、集中できない——。眠りの悩みが続くと、心も体も疲れてしまいます。不眠には、生活習慣の見直しや、考え方と行動を整える治療、必要に応じた薬など、いくつもの対策があります。

こんなサインはありませんか

  • 布団に入ってから、寝つくまでに長い時間がかかる
  • 夜中に何度も目が覚めて、そのあと眠れない
  • 起きたい時刻よりずっと早く目が覚めてしまう
  • ぐっすり眠った感じがせず、日中に眠気やだるさがある
  • 「今夜も眠れないのでは」と、寝る前から不安になる
  • 眠れない状態が、週に何日も・何週間も続いている

当てはまる数で診断が決まるわけではありません。つらさが続いて、暮らしや仕事に差しさわりが出ているときは、早めにご相談ください。

不眠症とは

不眠症は、眠る機会や環境が十分にあるにもかかわらず、眠りに問題が続き、そのために日中の調子(気分・集中力・体のだるさなど)に支障が出ている状態です。国際的な診断基準(DSM-5-TR)では、眠りの問題が週に3日以上あり、3か月以上続くことなどが目安になります。

一時的に眠れない夜は誰にでもありますが、それが長引くと、「眠れないこと」そのものへの不安や、寝床で過ごす時間の長さが、かえって不眠を続かせてしまうことがあります。早めに対策をとることが大切です。

不眠のタイプ

タイプどんな状態か
入眠困難寝つきが悪く、眠るまでに時間がかかる
中途覚醒夜中に何度も目が覚め、そのあと眠りにくい
早朝覚醒予定より早く目が覚め、そのあと眠れない
熟眠障害眠った時間のわりに、ぐっすり眠れた感じがしない

いくつかのタイプが重なっていることも多く、タイプによって治療の工夫も変わります。

原因・きっかけ

不眠の背景には、さまざまな要因があります。

  • ストレスや心配ごと:仕事・家庭・人間関係の悩みなど。
  • 生活リズム:交代勤務、休日の寝だめ、夜遅くまでのスマートフォンの使用など。
  • こころの病気:うつ病や不安症では、不眠がよくみられます。特に早朝に目が覚める不眠は、うつ病のサインのことがあります。
  • 体の病気や症状:痛み・かゆみ・頻尿・せきなど。
  • 嗜好品や薬:カフェイン・アルコール・たばこ、服用中の薬の影響など。
  • ほかの睡眠の病気:いびきや呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」、脚のむずむず感で眠れない「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」など。

ほかの睡眠の病気が疑われる場合は、検査のできる医療機関をご紹介することがあります。

眠りのための習慣(睡眠衛生)

治療の土台になるのが、眠りやすい生活習慣を整えることです。

  • 起きる時刻をそろえる:寝る時刻よりも、毎朝同じ時刻に起きることが大切です。休日も大きくずらさないようにしましょう。
  • 朝の光を浴びる:起きたらカーテンを開け、日の光を浴びると、体内時計が整いやすくなります。
  • 眠くなってから布団に入る:眠くないのに早く布団に入ると、かえって寝つきにくくなります。
  • カフェインは夕方以降控える:コーヒー・緑茶・エナジードリンクなどに注意しましょう。
  • 寝酒はしない:アルコールは寝つきを良くするように感じても、夜中に目が覚めやすくなり、眠りの質を下げます。
  • 寝る前の画面に気をつける:スマートフォンやパソコンの光や情報は、脳を目覚めさせてしまいます。
  • 昼寝は短く:昼寝をするなら、午後の早い時間に短めにしましょう。

治療について

不眠の認知行動療法(CBT-I)

不眠の認知行動療法は、眠りに関する習慣や考え方を整える治療で、慢性の不眠に対して効果が確かめられています。主に次のような方法を組み合わせます。

  • 刺激制御法:寝床は眠るためだけに使い、眠れないときはいったん寝床を離れて、眠くなってから戻ります。
  • 睡眠スケジュールの調整:実際に眠れている時間に合わせて寝床にいる時間を見直し、ぐっすり眠れる感覚を取り戻していきます。
  • 考え方の見直し:「8時間眠らないといけない」「眠れないと明日は台無しだ」といった思い込みをゆるめます。

睡眠薬

生活習慣の見直しだけでは改善しにくい場合や、つらさが強い場合には、睡眠薬を使うことがあります。現在は、ベンゾジアゼピン受容体作動薬のほか、メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬など、働き方の異なる薬があります。

睡眠薬は、不眠のタイプや年齢、ほかの病気、ふらつきなどの副作用を考えて選びます。診療ガイドラインでは、睡眠薬は必要な量を必要な期間使い、眠りが安定したら医師と相談しながら少しずつ減らしていくことがすすめられています。自己判断で急にやめたり、量を増やしたり、お酒と一緒に飲んだりしないでください。

背景にある病気の治療

うつ病や不安症などが背景にある場合は、その治療を進めることで、眠りも整っていくことがあります。

受診の目安

眠れない夜があること自体は、めずらしいことではありません。次のようなときは、ひとりで悩まずにご相談ください。

  • 眠れない状態が、週に何日も、1か月以上続いている
  • 日中の眠気やだるさで、仕事・家事・勉強に支障が出ている
  • 眠るためにお酒が欠かせなくなっている、または市販薬を飲み続けている
  • 眠れないことへの不安で、夜が来るのがつらい
  • 気分の落ち込み、不安、食欲の低下など、ほかの変化もある
  • 大きないびき・呼吸が止まる・脚のむずむず感など、眠りを妨げる症状がある

受診のときは、ふだんの就寝・起床の時刻や、眠れない日の様子を1〜2週間ほどメモしておくと(睡眠日誌)、原因や対策を考える手がかりになります。

ご家族・周りの方へ

  • 「早く寝なさい」と寝床に入ることをせかすより、朝起きる時刻をそろえることを一緒に意識すると助けになります。
  • 大きないびきや、眠っている間に呼吸が止まっている様子、脚が頻繁にぴくつく様子に気づいたら、受診のときにお伝えください。診断の大切な手がかりになります。
  • 眠れない状態に加えて、元気がない・食欲が落ちたなどの変化があるときは、うつ病などが隠れていることもあります。早めの受診をすすめてください。

よくあるご質問

必要な睡眠時間は、年齢や人によって異なり、年齢とともに短くなる傾向があります。時間の長さにこだわりすぎず、日中に強い眠気や不調がないかどうかを目安にしてください。

薬の種類や使い方によっては、やめにくくなることがあります。そのため、必要な量を必要な期間使い、眠りが安定したら少しずつ減らすことを医師と相談しながら進めます。依存の心配が少ないとされるタイプの薬もありますので、不安な点はご相談ください。

市販の睡眠改善薬は、一時的な不眠を想定したものです。不眠が長く続く場合は、背景に別の病気が隠れていることもあるため、自己判断で飲み続けず、医療機関にご相談ください。

アルコールは寝つきを早めることがありますが、夜中に目が覚めやすくなり、眠りの質を下げます。寝酒が習慣になると量が増えやすいため、不眠の対策としてはおすすめできません。

はい。眠りの習慣の見直しや、不眠の認知行動療法の考え方を取り入れた治療があります。症状やご希望を伺い、薬を使うかどうかも含めて一緒に方針を決めます。

睡眠時無呼吸症候群などが疑われる場合は、詳しい検査のできる医療機関をご紹介します。眠りの悩みがあれば、まずはご相談ください。

あかつきメンタルクリニックでの診療

当院は、名古屋市中区丸の内(地下鉄「丸の内」駅から徒歩4分、「伏見」駅から徒歩7分)にある精神科・心療内科のクリニックです。診療時間は平日 10:00〜18:00、土日祝 9:00〜17:00(どちらもお昼休みあり)です。診療日は Web予約の空き状況でご確認ください。

  • 初めての方は、Web予約・公式LINE・お電話(050-3529-9731)でご予約ください。
  • 初診では、いまお困りのこと、これまでの経過、生活や体の状態などを伺い、今後の進め方を一緒に考えます。
  • 16〜18歳の方は保護者の方の同伴をお願いしています。15歳以下の方の診療は行っていません。
  • 入院や専門的な治療が望ましいと考えられる場合は、適した医療機関をご紹介します。

受診の前に、受診にあたって(持ち物・当院で診療をお受けできない場合)をご確認ください。

Web予約 公式LINEのご案内 お電話 050-3529-9731

参考にした資料

  • 厚生労働科学研究班・日本睡眠学会「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」
  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
  • 米国精神医学会『DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット(睡眠と健康)

このページは、こころの病気についての一般的な情報です。診断や治療の方針は、診察でお話を伺ったうえで一人ひとりに合わせて決めます。気になる症状があるときは、自己判断せずにご相談ください。

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