職場・学校のストレス

適応障害(ストレスで心と体の不調が出る)

異動や新しい職場、人間関係のトラブル、家庭の変化——。はっきりしたストレスをきっかけに、気分が落ち込む、不安で眠れない、朝になると出勤がつらくて体が動かない。そんな状態が続いているなら、適応障害かもしれません。適応障害は「弱いから」なるものではなく、ストレスが心と体の対応できる範囲をこえてしまった状態です。

こんなサインはありませんか

  • 異動・転職・人間関係など、はっきりしたきっかけのあとから不調が続いている
  • 気分が落ち込む、涙もろくなった、不安やイライラが強い
  • 仕事や学校のことを考えると、動悸・頭痛・腹痛・吐き気が出る
  • 日曜の夜や朝になると、出勤・登校がつらくて体が動かない
  • 寝つけない、夜中に目が覚める
  • 休みの日や、ストレスから離れているときは比較的楽に過ごせる

当てはまる数で診断が決まるわけではありません。つらさが続いて、暮らしや仕事に差しさわりが出ているときは、早めにご相談ください。

適応障害とは

適応障害は、はっきりしたストレスの原因(ストレス因)があり、そのストレスに対して、気分の落ち込みや不安、行動の変化などが、ふつう予想されるよりも強く現れ、暮らしや仕事に差しさわりが出ている状態です。

国際的な診断基準(DSM-5-TR)では、ストレス因が始まってから3か月以内に症状が出ること、そしてストレス因やその影響がなくなれば、通常6か月以内に症状がおさまっていくことが特徴とされています。ストレス因の例としては、職場の異動・昇進・転職、仕事量の増加、上司や同僚との関係、受験や進学、引っ越し、家族の病気や離婚などがあります。

主な症状

こころの症状

  • 気分の落ち込み、涙もろさ、絶望的な気持ち
  • 不安、緊張、焦り、イライラ
  • 集中できない、仕事のミスが増える

からだの症状

  • 眠れない、食欲がない
  • 頭痛、腹痛、吐き気、動悸、めまい、だるさ

行動の変化

  • 遅刻や欠勤が増える、出勤・登校ができなくなる
  • お酒の量が増える、人との関わりを避ける
  • 普段はしないような、けんかや衝動的な行動

ストレス因に向き合う場面(職場や学校など)で症状が強くなり、休日などストレスから離れているときは比較的楽に過ごせることが多いのも特徴です。

うつ病との違い

適応障害とうつ病は、気分の落ち込みなど似た症状が出るため、区別がむずかしいことがあります。

適応障害うつ病
きっかけはっきりしたストレス因があるきっかけがある場合も、はっきりしない場合もある
症状の現れ方ストレス因に関わる場面で強まり、離れると楽になりやすい場面に関係なく、ほぼ一日中・ほぼ毎日続く
経過ストレス因がなくなると、改善しやすいストレス因から離れても続くことがある

うつ病の診断基準を満たす場合は、うつ病として治療を進めます。また、適応障害と診断されたあとも、ストレスが長く続くと、うつ病などに移っていくことがあるため、経過を見ながら診断を見直していきます。

治療について

適応障害の治療で大切なのは、ストレス因への対処と、ストレスに対応する力を取り戻すことです。

環境の調整

ストレス因から離れたり、負担を減らしたりすると、症状が改善しやすいのが適応障害の特徴です。仕事の量や内容の調整、配置の見直しなど、職場と相談できることがないかを一緒に考えます。必要なときは、休職も選択肢になります。

精神療法

診察では、ストレスの状況を整理し、受け止め方や対処の方法を一緒に見直していきます。問題を小さく分けて取り組む、相談できる相手を増やす、休み方を工夫するなど、無理なくできる方法を探します。

薬物療法

不眠や強い不安、気分の落ち込みなどがつらいときは、症状をやわらげるために薬を使うことがあります。睡眠薬や抗不安薬(ベンゾジアゼピン系など)は、長く続けると依存(やめにくくなること)が問題になることがあるため、使う場合は短い期間にとどめて慎重に用います。薬は、環境の調整や精神療法を支える役割と考えます。

休職と診断書について

症状が強く、働き続けることがむずかしい場合は、休職して心と体を休めることが回復への近道になることがあります。

  • 休職が必要と判断した場合は、職場に提出する診断書を作成します(休職期間の目安なども記載します)。
  • 休職中は、まず休養を優先し、生活リズムを整えながら回復を待ちます。
  • 復職にあたっては、職場の産業医や人事の方との調整、勤務の軽減(時短勤務など)についてもご相談いただけます。

なお、当院では労災に関する診断書・意見書の作成は行っていません。休職・復職の流れについては、休職・復職のご相談のページもご覧ください。

受診の目安

  • ストレスのきっかけのあと、不調が2週間以上続いている
  • 出勤・登校がつらく、遅刻や欠勤が増えてきた
  • 眠れない、食べられない日が続いている
  • お酒の量が増えた、気持ちが追いつめられている

「このくらいでは休めない」とがまんを重ねると、回復に時間がかかることがあります。早めにご相談ください。

ご家族・周りの方へ

  • 「甘え」と決めつけない:休日に元気そうに見えても、ストレス因に向き合う場面ではつらさが強くなるのが適応障害の特徴です。
  • 話を聞く:すぐに解決策を示すより、まずはつらさを受け止めることが支えになります。
  • 休むことを後押しする:休職などの判断に迷っているときは、受診して医師と相談することをすすめてください。

よくあるご質問

適応障害は、ストレスが心と体の対応できる範囲をこえてしまった状態で、気持ちの持ち方だけで解決できるものではありません。早めに対処することで、回復をめざしやすくなります。

ストレス因から離れているときは比較的楽に過ごせることは、適応障害でよくみられる特徴です。休日に元気でも、職場や学校に向き合う場面で強い不調が出ているなら、ご相談ください。

診察でお話を伺い、症状や働く状況から休職などが必要と判断した場合に作成します。初診の日に作成できるかどうかは、状態によって異なります。なお、労災に関する診断書・意見書の作成は行っていません。

はじめは休養を優先し、十分に休むことが大切です。少し回復してきたら、起きる時間をそろえる、散歩をするなど、生活リズムを整えていきます。復職の時期や進め方は、回復の様子を見ながら一緒に考えます。

不調が強いときは、退職などの大きな決断はできるだけ先送りし、まずは休養や環境の調整を考えることをおすすめします。落ち着いてから、今後の働き方を一緒に考えていきましょう。

ストレス因から離れたり、負担が減ったりすると、改善していくことが多いです。ただし回復のペースは人によって異なり、ストレスが長く続くと長引くこともあります。経過を見ながら治療を進めます。

診断書に病名が記載されるため、休職などで提出する場合は職場に伝わることになります。伝わり方が心配な場合は、診断書の記載内容について診察でご相談ください。

あかつきメンタルクリニックでの診療

当院は、名古屋市中区丸の内(地下鉄「丸の内」駅から徒歩4分、「伏見」駅から徒歩7分)にある精神科・心療内科のクリニックです。診療時間は平日 10:00〜18:00、土日祝 9:00〜17:00(どちらもお昼休みあり)です。診療日は Web予約の空き状況でご確認ください。

  • 初めての方は、Web予約・公式LINE・お電話(050-3529-9731)でご予約ください。
  • 初診では、いまお困りのこと、これまでの経過、生活や体の状態などを伺い、今後の進め方を一緒に考えます。
  • 16〜18歳の方は保護者の方の同伴をお願いしています。15歳以下の方の診療は行っていません。
  • 入院や専門的な治療が望ましいと考えられる場合は、適した医療機関をご紹介します。

受診の前に、受診にあたって(持ち物・当院で診療をお受けできない場合)をご確認ください。

Web予約 公式LINEのご案内 お電話 050-3529-9731

参考にした資料

  • 米国精神医学会『DSM-5-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』
  • 世界保健機関 ICD-11(国際疾病分類 第11版)
  • 厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
  • 厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」

このページは、こころの病気についての一般的な情報です。診断や治療の方針は、診察でお話を伺ったうえで一人ひとりに合わせて決めます。気になる症状があるときは、自己判断せずにご相談ください。

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